
Secret Weapon / Must Be The Music
洗練と熱狂が同居する、NY産アーバンDiscoサウンド
Post Disco時代を象徴するPrelude Recordsの名作
1981年、Post Disco期のN.Y.シーンにおいて、名門Prelude RecordsからリリースされたSecret Weaponのデビュー・シングル Must Be The Music のレコメンド。この時代、Discoの終焉が囁かれる一方で、より洗練されたダンス・ミュージックへと進化していく過渡期でもあり、このMust Be The Music はまさにその転換点を象徴するサウンドでもあります。Prelude Recordsらしい都会的なセンスと、クラブ・ミュージックとしての実用性が見事に融合したこの1曲は、80年代初頭のNYダンスフロアを語るうえで欠かすコトのできない重要な作品と言えるでしょう。
都会的な洗練とFunkの熱量が共存するグルーヴ
聴いた瞬間に広がるのは、エレガントなキーボードのメロディと、シャープに刻まれるギター・カッティング…そして、そのボトムをしっかりと支えるファンキーで粘りのあるベースライン。このイントロの時点で、すでに「ただのディスコではないっ!」という空気感が漂っていますね。パーカッションは細やかに、しかし確実にグルーヴをグイグイと押し上げ、タイトなビートと相まってフロアに自然とカラダを預けたくなるようなドライブ感を生み出しています。この曲の真骨頂は、やはりその洗練されたグルーヴでしょうね。音数を詰め込みすぎず、各パートが絶妙な距離感で配置されているコトで、都会的でクールな空気感を演出しつつ、しっかりとFunkの熱をカンジさせる…このバランス感覚こそがPreludeらしさであり、このレーベルを愛するDJたちがこぞってプレイしてきた理由でしょうね。ヴォーカルはソウルフルでありながらもどこか涼しげで、その対比がこの楽曲の持つ夜の気配をより際立たせていますね。
「音楽こそがすべて」そのメッセージを支える名プロダクション
リリックでは「すべては音楽のせいさ(It must be the music)」というシンプルながらも本質的なメッセージが繰り返され、音楽がヒトを動かし、感情を解放するチカラそのものを肯定しているようにもカンジられますね。Mixを手がけたのはCrown Heights Affairの中核人物でもあるBert Reid。Bert Reidの手腕はこの曲のボトム処理に如実に表れていて、重すぎず軽すぎない絶妙な低域の設計によって、フロアでのバツグンの機能性を実現しています。実際に当時のクラブでは、ピークタイムはもちろん、セットの流れをスムースに繋ぐナンバーとして重宝された1枚でもありました。
DiscoからHipHopへ繋がるNYダンスカルチャーの架け橋
そして終盤に差し込まれるOld SchoolなRapパート…このさりげないアクセントが、当時芽吹き始めていたHipHopカルチャーとの接点をカンジさせ、単なるDiscoナンバーに留まらない広がりを与えているんでしょうね。華やかでありながらも決して薄っぺらくナイっ!洗練とグルーヴが共存するサウンドに仕上がっていてDJ視点で見ても、リスニングでも、その完成度の高さは群を抜いています。Prelude RecordsのDisco美学が凝縮されたこの1枚、まさに音楽の魔法を体現した名曲です。針を落とせば、Post Discoから次の時代へと移り変わる1981年ニューヨークの空気を、そのまま体感できるハズですよ。


